子連れ旅行アドバイザー・小暮祥子の『Travel with kids』
 

『少子化が与える子連れ旅行への影響とは』

最近小学生との「子連れ旅行」には赤ちゃん連れの悩みとは本質がまったく違う、切実な問題が浮上している。「子供が小学生(特に高学年)になったら、親との旅行を喜ばない。」、「旅先で子供が帰りたいと言い出す」というのだ。詳しく話を聞くと、それらの事例はプランニングに問題があるのではなく、むしろ核家族化や少子化という時代背景を象徴しているようだ。

以前仕事で、あるママグループにインタビューした時には「お友達と一緒でなければ、子供はもう旅行に同意すらしてくれない」と困った顔で話すママさえいた。あるひとりっこのママは、家族で行った海外旅行先で「つまらない」と子供に言われてショックだった、とも話す。旅先で子供がずっと携帯ゲーム機に没頭していたというのも珍しくはない話のようだ。

もちろん旅行は普段は忙しくて親子でゆっくり向き合うことができない家族にとって、絆を深める貴重な機会でもある。ただし、幼児期の旅と違い、常に親子仲良く過ごす、というのは成長した子供には少々窮屈に感じる部分もあるようだ。兄弟がいる場合は子供たちだけで遊ぶ時間が持てるが、少子化傾向の日本では親や祖父母の中に子供が一人、というケースも増えている。

そこで、子供が小学生になっても上手に旅を続けているママたちに話を聞いてみた。「連泊するような旅行は、友人家族と一緒に計画します。例えば海にしたって、スキーにしたって、テーマパークもそうですけど、やはり子供は子供同士の時間を楽しそうに過ごしていますよ。ただ、これは自分が気の合うママ友に恵まれたからかもしれません。もし家族だけで旅行するって言ったら?あの子はもう行きたがらないかもしれないですね。」と苦笑する。

もちろんこれは一部の話であり、旅先でも親子で楽しく過ごしている家族も多いだろう。しかし少子化時代にあって、こういった悩みはますます増えてくるのではないかと懸念している。旅先で、見知らぬ子供同士がコミュニケーションをとれるようなチャンスや、複数のファミリーがプライバシーを守りながら快適に滞在できるようなしかけ(コネクティングルームのような?)も今後より必要とされるのではないだろうか。

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