子連れ旅行アドバイザー・小暮祥子の『Travel with kids』
 

『旅先でパパが好感度をあげるためのアドバイス』

旅は家族円満の潤滑油なのか、と言うと、多くの場合はYESだが必ずしもそうではない。かつて「成田離婚」なんて言葉がよく使われていたが、旅先では夫婦間でお互いの行動が普段以上に目につくため、相手を失望させるきっかけも多く潜む。実は小さな子供を連れた家族では、この「成田離婚」と似たような現象がよく見られる。

以前、知人がこんなことを話していた。
「育児ストレスというのは、子育てそのものに対するストレスではなく、パートナーの理解が得られないことに対するストレスのことなのではないか」と。

旅行は育児ストレス発散の場としても貴重な機会。非日常を楽しむ旅先で、夫婦が子育ての幸せを共有することは意外と容易いことだ。そこでむしろ気をつけたいのは育児の“苦労”も共有できているかという点ではないか。

そもそも旅行のプランを立てる時点で、パパはどこまでママの相談にのっているだろう。ママはきっとパパにさりげなく相談をする。「今年は○○に新しいアウトレットができたんですって」、「この子はまだ小さいから海は無理かしらね」、「3時間ぐらいなら飛行機にのせても大丈夫かしら」。

パパはこれらにきちんと答えているだろうか。優しさから「君達の行きたいところならどこでもいいよ、適当に決めておいて」と、まかせっきりにしたりすることが、「無関心」ととらえられてしまうこともある。

旅先では託児施設を利用することもあると思うが、二人の時間を作るために「お金を出せばあずけられるんだからさ」的な態度は絶対にNGだ。例えば子供をあずけて夫婦でゴルフやスキー、ダイビングなどに興じるとしよう。そんなときも「帰ってきたら、俺がしばらくこどもをみてるから、君はエステを予約すれば?戻ってきたらディナーはみんなで○○に行こうか。」というような“二人で楽しむために子供をあずけるが、自分はこんなときぐらいママに代わって子供の世話を楽しみたいし、家族で過ごす時間も大切に思っている”という意思表示がパパの好感度をあげる。

時には失敗したり、赤ちゃんに泣かれてしまったりしながらも、そんな“苦労”を共有することに、ママはクスッと笑いながら幸せを感じるのかもしれない。何もママだって全ての育児をきっちり半々で、なんて思ってはいない。「ママはいつも大変なんだなぁ。ありがとう。」そういう気持ちを示してもらえることで、ママは旅行のあとも子育てを心から楽しむことができるのだ。

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